ePub形式を通じて電子書籍の今後を考えてみる

2010/05/13

こんにちは。きんくまです。
ePub形式を調べてみてわかったことを通じて電子書籍について考えてみようと思います。

1.雑誌は当初アプリで普及しはじめる
2.ePub2形式がもし出れば、htmllコーダーが活躍するかもしれない
3.紙の消費量が減る

1.雑誌は当初アプリで普及しはじめる

これはePub形式がそもそもレイアウトというものをほとんど考慮しない形式ということからきています。
文字が流し込んであって、その途中に挿絵があるような小説のようなスタイルであれば、ePub形式は非常に最適です。
ですが、雑誌のような文字の大きさがたくさんあり、写真にまわりこむようなテキスト流し込みがあり、といった複雑なレイアウトは現状のePub形式では実現が難しいようです。
とすれば、書籍はePub形式で流通するとしても、雑誌はePub形式では難しいと思います。
では、雑誌はどういう形で流通していくんでしょうか?
雑誌は当初は雑誌ごとにiPhoneアプリやAndroidアプリという形で流通するんだと思います。

>> 参考 Popular Science, Marvel Comics, The Wall Street Journal,(新聞)
http://www.apple.com/jp/ipad/apps-for-ipad/

今までの仕組みであるWebマガジンということも考えたのですが、これは難しいと思っています。
なんでかというと、今実際にWebマガジンでうまくいっているという話をほとんど聞いたことがないからです。
それはWebマガジンの課金の仕組みのスタンダードとなるものがまだ普及していないことが関係していると思います。
結局、みんなお金を払うのが嫌なのではなくて、自販機でジュースを気軽に買えるような、そんなスタンダードな
課金の仕組みが広まっていないことの方が問題だと思います。
1つか2つのサイトで全ての雑誌が見られるようなそんな仕組みがWebにあると普及しなくもないかなと思います。

それから、Webはここまで、ほぼ無料、フリーの文化が根付いてしまっています。
だからユーザーも「Webなのに金払うのかよー!」という心理的抵抗感があると思うのです。
だからアプリ形式にすることで、「これはアプリでWebとはちょっと違う形のものですよー」と、見せ方を変えてあげることで、
お金を払う抵抗感がいくぶん減らせると思うのです。

2.ePub2形式がもし出れば、htmllコーダーが活躍するかもしれない

さきほどは雑誌は当初アプリという形で流通し始めると書きました。
ただ、これは長期的に見ると少し変わってくると思います。
というのは、雑誌ごとにもしアプリがあるとすぐに端末がアプリだらけになってしまい管理が大変になるからです。
なので、解決方法としては思いつくところ2つあって、

1. ほとんどの雑誌を読むことができる、1つのアプリが普及して、その1つのアプリさえ立ち上げればよくなる
2. ePub形式の規格を拡張して、もっと表現力があがるものにして、そこに載っけるようにする

まず1ですが、これは様々な雑誌アプリがこれからたくさん出てきて、それぞれに短所長所があると思います。
それらをうまく吸収して作られた新しい1つのアプリの人気が出てそれをみんなが利用するようになるのでは?と考えました。
逆にいえば、そんなようなアプリを作ったところは雑誌コンテンツを制することができるので、大きなビジネスチャンスになるかもしれませんね。

2については、htmlの歴史をひもといてみればわかります。
当初htmlは現在のePub形式よりも表現力が低い文字だけが表示できるものでした。
それが画像が表示することができるようになり、そこからレイアウトも複雑なものができるようになり、という風に進化してきました。
なので、ePub形式をhtmlの進化の過程と同じように拡張させて表現力をあげていこうという動きは出てくるのでは?と思うのです。
そのときにePub形式はxmlベースのものなのでhtmlをやっているhtmlコーダーが活躍する場が広がるかもしれません。
もしかするとそのときには自動で書き出すツールも出来上がっていて、逆に活躍できないかもしれません。
ただ、現在のhtmlも結局は人の手でコーディングしているので、ePubもそうなるかもしれませんね。
ここばかりは時間がたってみないとわかりませんね。

3.紙の消費量が減る

これはePub形式とは関係ないのですが、紙の消費量が絶対的に下がっていくと思います。
PCが普及しはじめた当初はペーパーレスの時代だ!なんていわれて、紙が少なくなるといわれてましたが、
実際は逆で消費量はあがったという記事をどこかで見ました。
考えてみれば、それまでオフィスや家庭に簡易印刷機であるプリンターなんてものは存在してなくて、
それが普及したのだから当然のことだと思います。
ただ、これはPCのディスプレーが長時間見るには姿勢的にも、形や重さ的にも手軽じゃないことから
来ることだったと思うのです。

これがiPadやAndroid搭載のタブレットなどが普及してくにつれて様子が変わってくると思います。
それはPCのディスプレーと比べると手軽に持ち運べるし、何より紙と同様に人と共有して見ることができるからです。
例えば営業の人が外回りにいくのに資料をもっていくことを仮定します。
今までは、パワポやワードで作ったデータを印刷して取引先に紙をそれぞれ配って、身振り手振りをまじえつつプレゼンしていたものが、
ひとり1端末のタブレットがノートパソコンの代わりにおかれ、そこに資料が配布されて、それを指でスライドさせてみるというスタイルに変わると思うのです。

また、別のところではデジタルフォトフレームなど「デジタルデータをそのままディスプレーに表示する動き」があることからも今後ますますディスプレー表示というのは増えていくんだと思います。

なので、今後印刷業界や製紙業界なんかはなんらかの対策をうっていかないと厳しいことになっていくと思います。

——————–

ってなことを考えてました。
ではでは。

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